華語文奨学金の申請方法 合格者による徹底解説

大家好,逐家好,皆さんこんにちは。台湾小路へようこそ。

この記事では、台湾政府教育部が支給している語学留学者向け奨学金「華語文奨学金」の申請方法についてご紹介します。月に約10万円が支給される超ありがたい奨学金です。筆者は、2021年に華語文奨学金に合格し、2021年から半年間、台湾大学の語学センターに通っていました。奨学金の受給期間が終わったあとは、師範大学の語学センターに移って語学留学を続けています。

目次

華語文奨学金の基本情報

華語文奨学金は、台湾政府の教育部が支給している語学留学者向け奨学金です。

支給機関:台湾政府 教育部
申込先:駐日台北経済文化代表処 教育部
支給額:月2万5000元(約10万円)
支給期間:3ヶ月/6ヶ月/9ヶ月/1年(代表処教育部が判断します)
1年分の奨学金を申請しても、必ずしも1年分合格するわけではありません。私の場合、1年分申請して、合格したのは半年分でした。後でもお話しますが、3ヶ月分合格した後に半年に延長された人もいたりします。
定員:14名程度
募集期間:例年2月1日〜3月31日
選考方法:書類(面接なし)

申請方法

書類を沢山準備する必要があるので、一つずつ見ていきましょう。

奨学金申請書(1通)

代表処のウェブサイトから入手します。写真を貼る欄があるので、証明写真を準備しておきましょう。Wordファイルでダウンロードでき、パソコン入力、手書き作成どちらでも構いませんが、最後の署名欄は必ず手書きです。また、学歴の欄ですが、高校や大学に在学中の場合、学校名を書いて良いものか悩むと思います。その場合は、「学校名:〇〇大学、住所:〇〇、修業年限:4年(在学中)」としておけば大丈夫です。私はそうしました。最高学年の方は、「卒業見込み」と書いておけば大丈夫だと思います。細かいところまで厳しく見られているわけではないので、そこまで心配しなくて大丈夫です。

奨学金承諾書(1通)

こちらも代表処のウェブサイトから入手します。英語と中国語で書かれた誓約書です。Name(姓名)とSignature(簽名)の箇所は一体何語で書けば良いのか悩むかもしれませんが、Name(姓名)は日本語表記、繁体字表記、あるいはパスポート上の英語表記のいづれかで大丈夫です。Signature(簽名)も正直何語でも良いですが、普段使っているものか、それがなければ普通に日本語でサインすれば問題ありません。日本人は自分のサインがこれと言って決まっていない人が多いかと思うので、姓名も簽名も同じ日本語表記になるかもしれませんが、それでも大丈夫です。

【厄介】学習計画書(1通)

A4横書きでWordで作成したものを印刷して提出します。字数は3000字程度なので、大体Wordファイル2枚ちょいです。

内容は、「志望する大学名、台湾留学志望の理由、留学中の具体的な学習計画、帰国後の計画(学業、職業を含む)を詳細に記載すること。」 という要求ですので、これに沿って詳しく書きます。

私は分かりやすいように、志望大学、台湾留学志望の理由、留学中の具体的な計画などを見出しとして書き、それに続けて文章を書き始めました。留学中と留学後の計画は、小見出しをつけて細かく割りました。参考程度に、私が書いた学習計画書の様式を載せておきます。


学習計画書

姓 名

■志望大学
〇〇大学〇〇センターへの語学留学を志望しています。留学期間は、〇〇年◯月から〇〇年◯月の約1年間です。(補足があれば記入)

■台湾留学志望の理由(600字程度)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。〜〜〜〜〜〜〜〜〜。

■留学中の具体的な計画(1800字程度)
▷小見出し
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
▷小見出し
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
▷小見出し
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
▷小見出し
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。〜〜〜〜〜〜〜〜〜。

その後の計画(600字程度)
▷小見出し
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
▷小見出し
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。〜〜〜〜〜〜〜〜〜。

〇〇年◯月◯日

台湾の大学に入学申請した書類(コピー可)(1部)

語学センターの場合、Googleフォーム等からオンラインで入学申請することが多いと思います。Googleフォームの場合は、フォームの一番最後に「回答のコピーを自分宛に送信する」に必ずチェックを入れて、自分のメールにフォームに記入した内容が送信されるようにします。それをプリントして提出します。

もし、既に「入学許可書」がPDF等で送られてきている場合は、それを印刷したものを「入学申請した書類」とすることができます。私の場合は、入学許可書が既にメールで送られてきていたので、それをプリントして提出しました。Googleフォームより入学許可書の方がちゃんとした書類なので安心できますよね。語学センターのサイトから入学申請すると、何週間後かに入学許可書が送られてきます。入学申請だけならお金はかかりませんし、メールで後から変更の相談とかもできますから、とりあえず早めに入学申請をしておくと良いですよ。

【厄介】代表処/弁事処によって認証された最終出身校の全学年の成績証明書(日英1通ずつ)
【厄介】代表処/弁事処によって認証された最終出身校の卒業証明書/修了証明書/在学証明書(日英1通ずつ)

成績証明書と卒業/在学証明書は、いずれも和文と英文が必要です。証明書の発行には時間がかかる場合があります。特に、高校は英文証明書の発行に時間がかかったりします。余裕をもって発行申請しておきましょう。必要な証明書は以下の通りです。

高校3年生→高校の成績証明書と在学証明書
高校卒業、大学未入学→高校の成績証明書と卒業証明書
大学1〜4年生→大学の成績証明書と在学証明書
社会人→最終出身校(大学or高校)の成績証明書と卒業証明書

証明書が手に入ったら、次は管轄の代表処または弁事処、分処に「認証」の申請をします。「認証」は当日に完了するわけではなく、数日かかりますので、こちらも余裕をもって申請する必要があります。「認証」は1通1,600円ですから、証明書計4通で6,400円かかります。かなり高額ですが、合格したら月に約10万円貰えますからここは出し惜しみせず支払うことをお勧めします。代表処、弁事処、分処が管轄している都道府県は以下の通りです。「認証」の際の管轄は、申請者の住所地ではなく、証明書を発行した学校の所在地で判断してください。

【各処の管轄都道府県】
台北駐日経済文化代表処札幌分処→北海道
台北駐日経済文化代表処(東京)→関東地方(神奈川県を除く)、東北地方、甲信越
台北駐日経済文化代表処横浜分処→神奈川県、静岡県
台北駐大阪経済文化弁事処→関西2府4県、東海3県、北陸3県、中国地方(山口県を除く)、四国地方
台北駐大阪経済文化弁事処福岡分処→九州地方、山口県
台北駐日経済文化代表処那覇分処→沖縄

例えば、現在の住民票→東京都証明書を発行した学校→愛知県の場合、学校の所在地で判断しますから、愛知県を管轄している大阪にある台北駐大阪経済文化弁事処に申請します。(ただ、ビザ申請の時は住民票で判断しますから、東京にある台北駐日経済文化代表処に行くことになります。ややこしいですね。)

各処ごとにウェブサイトも違うので、注意してください。ウェブサイトの左上に白文字で処の名前が書かれています。認証やビザの受付時間、受取時間が処によって異なります。その他細かい情報も処によって言っていることがバラバラなので、ビザ申請をするときは要注意です。

【厄介】推薦状(2通)

推薦書の様式は自由、使用可能言語は中国語、日本語、英語のいづれかです。二人の推薦状が必要です。厳封は不要です。厳封しても問題ありません。

大学生の場合、普段お世話になっている教授、准教授などの先生2人にお願いをしましょう。大学の先生はとても忙しいですから、1ヶ月〜2ヶ月以上前に余裕を持ってお願いした方が良いです。

高校生の場合は、担任の先生とあなたをよく知る普段からお世話になっている先生2人にお願いするのが良いと思います。社会人の方は、「職場の上司もしくは推薦にあって相応しい者」にお願いしましょう。

私は在籍している大学のゼミの日本人教授と、普段からお世話になっている中国人教授に推薦状を書いていただきました。私はギリギリ人間なので、締め切りの2週間前にお願いをして、急いで書いてもらいました。本当に失礼な奴です私は。

パスポートの写し(A4)

パスポートの顔写真があるページをカラーコピーします。

長形3号封筒(3通)

これらの申請書類を入れる封筒とは別に、長形3号封筒3通必要です。A4が三つ折りで入る長細い封筒ですね。選考結果等を通知する時に使われます。3通全てに414切手を貼り表面に自分の名前と住所を記入しておきます。

書類の準備が終わったら…

書類が全て揃ったら、封筒に入れて、例年3月31日までに代表処の教育部に必着するように郵送します。ギリギリ人間の私は、3月28日くらいに出して30日に届いたと思いますが、それでも一応合格しました。提出期間は2月1日〜3月31日と長いですから、皆さんはギリギリを攻めずに余裕を持って提出することを強くお勧めします。精神的にも良くないで…

内定通知が来たら…

5月あたりに内定通知が来ると思います。私は、2021年5月13日に内定通知が封筒で届きました。

内定者は、例年6月15日〜30日の間に東京の代表処の教育部宛てに語学センターの「入学許可書」のコピーを1部提出します。申請時に、「入学申請した書類」として入学許可書を既に提出している人も、ここで再度提出する必要があります。期限中に必着するように手配しましょう。

私は1年分の奨学金を申請していましたが、内定したのは半年分でした。半年分でも、約10万円×6ヶ月=60万円なので、とてもありがたかったです。私の友人はもともと半年分を申請していて、内定したのは3ヶ月分でしたが、コロナ禍で辞退者がいたので、正式合格後に結局半年分になりました。

2021年の夏当時は、語学留学のビザがまだ再開されておらず、華語文奨学金合格者にだけ特別にビザが発行されました。ひょっとしたらコロナ変異株の感染力によっては今後も入国管理が強化されることがあるかもしれません。入国管理が強化された時は、華語文奨学金合格者から優先的に入境できると考えられるので、奨学金に合格しておいて損はないと思います。

合格通知が来たら…

合格通知が来たら、晴れて華語文奨学金生として渡航できるようになります。あとは、ビザ申請のための書類(健康診断書、住民票などなど)を準備して、ご自身の住民票を置いている都道府県を管轄している代表処、弁事処、分処に申請をしに行きます。ビザ申請からビザの受け取りまでには数日間かかるので、こちらも余裕をもって進める必要があります。頑張ってください!

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この記事を書いた人

阿成のアバター 阿成 台湾小路 代表

日本の大学に在籍しながら、台湾に語学留学中。
台湾華語と台湾地域研究の勉強をしています。

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